「模型三昧」(プラモデルエセー)8 「ご機嫌最高モノグラム」 |
「モノグラムの新しい飛行機入って来た?」
「毎日来ても、入ってこないよ」
小倉に有ったアトム模型(随分前に閉店)にモノグラムの新製品を目当てに、毎日ではないが、アトム模型に足重に通い、発売を待ちどうしく待ったものだった。半年か一年経ってなのか、ようやくアナウンスされていたキットが入荷した、勿論初版のキットだ。
パッケージは当時モノグラムのキットの定番のブルーの箱にシュリンクがかかっていた。
当時モノグラムのキャッチコピーが「ご機嫌最高モノグラム」
(画像は後年のマテル版)
何故そのキットが待ち遠しかったのか、それは発売前の広告にある。新製品のイラストが描かれていて、そこには機体のインテリアまで再現している。当時そこまでの精密感を出しているキットは見当たらず、イラストからディテールの存在感が有った。
商品には共通して欠かせないものに、ワクワク感、期待感を醸し出すパッケージングが必要で、当時のキットの中でもこれほどワクワク感を引き出してくれたキットは無かった。
当時のモノグラムのパッケージはお洒落で、アメリカ製の輸入品を見せつけている様で、またイラストもかっこ良く、当時の国内のキットがダサク、子どもっぽく見えたものだった。
当時モノグラムの航空機のキットは標準的なパッケージで600円、1/72の単発機であれば420円、そして大型機になると900円から1350円となっていた。このキットは当時900円で、同じスケールのキットであれば600円のところ当時900円だった。でも私に取っては900円の価値は有った様に思う。
パッケージのシュリンクを開封し、箱を開いてパーツを見た時は感動した事を覚えている。
将に「ご機嫌最高モノグラム」だった。
各パーツのディテールの再現と精密感はたのキットと比較にならないほどだった。
そして、一時は眺めては箱を閉め、また開いてパーツを堪能し、勿体なくて作れずにしまい込む状態が続いた。当時の資料としたら「世界の傑作機」がある。ざらついたグレーの想定の時代の後のブルーの帯の入った頃だったと思う。
その資料とも比較しながら、どのように作るか夢想したものだ。
その後、国内版としてバンダイが販売していたりして、近年プロモデラー版で追加パーツを付けて再販されたりもしている。
最近にになってハセガワやエデュアルドが製品化しているがキットのプロポーションや各部の断面はやはりモノグラムに勝るものは出てこない。今手持ちで残しているのはモノグラムとハセガワのキット。
当時発売されたキットはある日作って完成させ、その後キットが再販されるたびに手に入れながら今に至っている。